皮膚病あれこれ1 おとなの「りんご病」
最近、「りんご病」が弘前市内近郊の保育園、幼稚園、小学校などで流行しています。これは正式には「伝染性紅斑」といってパルボB19というウイルスの感染によるものです。「りんご病」の名前の通り頬っぺが赤くなったり、手足にレース状のうっすらとした赤い斑ができますが、だいたい1週間くらいで治ります。
さて、この「りんご病」が大人にもあることをご存知ですか。大人の場合は子供とはかなり症状が違います。まず、頬っぺは赤くなりません。手足にはうっすらと紅斑はできますが、よく気をつけてみないとわからないことも多いです。何よりも、色々な強い全身症状があらわれてきます。例えば頭痛、関節や筋肉の痛み、手足のむくみ、全身のだるさなどです。これらの症状は患者さんの表現によれば「手がもったりする」「階段を上がることができない」「箸を持てない」「正座できない」「コップを握ることができない」「ジュースのびんの栓をひねることができない」「一度坐ると立つのが大変である」「膝がカクカクする」「腰から下が他人のようだ」などということです。時に全身関節の痛みが激しく動けなくなることもあるなど、かなりつらい症状を示します。 これらの症状が「りんご病」だとは気づかれず、リウマチと間違われたりすることもあります。
大人の「りんご病」の診断は、このような症状を注意深く聞くとだいたいわかりますが、確定診断が必要な時にはパルボB19ウイルスの血中IgM抗体を測定します。大人の「りんご病」は妊娠している人の場合には注意が必要です。大人の「りんご病」はお母さんが患ることが多いのですが、 子供が「りんご病」で、自分も体調がおかしかったらぜひ相談して下さい。